私は、2018年末まで約20年間、いわゆるブラック企業に勤めていました。
同じように、ブラック企業で働いている方も多いと思いますが、私のいた会社は、ある一点において、かなり特殊だったと思います。
全く名誉なことではありませんが、リアルではあまり体験できないと思いますので「へぇー、こんな会社もあるんだ~」と呟きながら、気軽に読んでいただければ幸いです(*'ω'*)
※会社が閉鎖になったことを書いた記事はコチラ☟
クビ切りに対してためらいはない
その会社は、ある大手のメーカーの下請けで、年間を通して、繁忙期と閑散期がありました。
だいたい、閑散期に対して、繁忙期の仕事量は、1.5~2倍くらいでしょうか。
そのため、従業員の数も季節により調整が必要で、社員よりも派遣社員の方が2~3倍くらいの人数を占めていました。
社長がとにかく「直接雇用」を極端に嫌がる人で、もちろん「経費がかかる」こともありますが…
まずは、何か起きると派遣会社の担当者に文句を言えること(一種のストレス解消?)
そして何より「クビを切りやすい」という側面があったと思います。
繁忙期が終わった頃の、人減らしは容赦なく、周りがハラハラするほどでした。
シングルマザーの派遣さんとかが相手でも全くお構いなし…(´-ω-`)
派遣社員の契約期間はなんと「1ヶ月」。
このため、ほぼ自分の都合で人員削減出来るんです。
本人に通知するのも、ギリギリ1ヶ月前にしかしないし…。
雇用していた人の生活がどうなるか…という想像力はないように見えました💧
私も、最初の7年間は派遣だったので、毎年…というかいつも、冷や冷やモノでした(@_@;)
社員を含めた会議では「人員削減に対しては、全部俺の責任や」と、いちおうは言っていましたが…。
私は、自分の部署のメンバーが減らされそうになった時、思いとどまってもらえるように直訴したこともあります。
まあ、まったく相手にされない、むしろ会社の方針に従わないとみなされ、自分の評価が下がるだけの行動でしたが…。
けれど、そんなことが、派遣社員さん達に伝わるわけがありません。
私が手を回したと思われ、当人から恨み言を言われたり、泣かれたりしたこともありました。
私には、子どももいるし、親もいる。
誰と誰が、どこで繋がるかはわからない。
出来るなら、人からの恨みは買わずに生きていきたい…
そう思っていましたが、おそらく巻き沿いで恨まれていると思います…(;´Д`)
それでもまだ…
最初の頃は、社長にも良心がありました。
少なくとも、自分も辛い・自分も心苦しい…という素振りだけはしていました。
ところが…
次第に、自分さえよければいい、自己中丸出しキャラへと変貌していくのです( ̄ー ̄)
ある「お局さん」の存在
もともと、私が仕事を始めた時にすでに働いていた「お局さん(2度目の旦那さんと子ども有)」がいました。
従業員女子の中では最年長でしたが、社長の10歳年下。
社長は、愛人がほしくて、社内のいろんな女子にアプローチしていましたが、遂にこのお局さんを射止めたようでした。
実は私も、よく、お局さんの部下の女の子から報告を受けていました。
「クマ子さん、棚の影で、社長がお局さんの胸を触ってました!」
…はぁ…(--〆)
そういうことは、違う場所でしていただけます?
それでも最初のうちは、奥さんの目(社内で重役でした)や、ほかの従業員の目を気にしていました。
ところが、奥さんが病気になって入院し、退院後も体調が思わしくなく、毎日出勤できなくなってから、流れが変わりました。
よく、2人だけで社長室に籠るようになり、人事的なこともお局さんに相談しているようで、例のクビ切りも、現場の意見や、その人の能力よりも「お局さんのお気に入りかどうか」というころに焦点が当てられるようになってきました。
そのため、いい人材がどんどん流出していきました💧
会社のすべてが、お局さんの一存で動くことになったのです。
このお局さん、仕事ができる人なら、まだよかったのですが…
自分の仕事に興味がないのか、自分が今までやった仕事のやり方をすべて忘れてしまう。
むろん、社内全体の流れは、いつまで経っても頭に入らず、誰がどんな仕事をしているのか、正確に把握できない。
興味があるのは、自分に対して、仲良くしてくれるかどうか、敵意を持っているかどうか…でした。
そして、手にした権力は、絶対に手放さない…
よく、部長など、自分より目上の人に向かって、みんなの前でボロカスに言ったり…。
突然、だれかれ構わずキレ出して、暴言を吐いたり…💦
自分のバックに社長がいる、と思って、言いたい放題やりたい放題でした。
社長も、お局さんを悪く言った社員に対しては、管理職でも、みんなの前でつるし上げるかのように、叱り飛ばしていました(・ω・)
そのためみんな、腫れ物を触るような扱いでした。
そして、そんな人の言うことを聞くようになった社長が率いる会社は、どんどん傾いていきました。
まともに仕事ができる人から、次々と退職していったからです。
まとめ
私がいた、この会社が閉鎖に追い込まれたのは、仕事を委託してくれていた大手メーカーの販売が振るわないことから、業務をすべて内製化する方向になったため、委託をやめると通知を受けたことが、直接の原因でした。
でも、そういった事情がなくても、いずれは会社は傾いていたのだと思うのです。
結局、組織はトップの方針や方向性が大事で、みんな最終的にはそちらを向いていくもの。
ですが、そもそもの社長の、会社を経営していく目的がずれていました。
会社の事業で利益を上げていくこと…というよりは、自分の周りに気に入った人間を置いて、毎日を楽しく過ごしたい。
そして、株で儲けて個人の財産を増やせばいいから、会社は赤字にならなければいい。
どうせ、娘はみんな嫁に行ったし、跡を継ぐ人間もいないし(というか、誰かに譲る気は全くありませんでした)…。
(もちろん、住宅ローンを抱えている一家の大黒柱の男性社員もたくさんいたのですが、そちらに対する配慮もなし。再就職の斡旋もなし…でした💧)
そういう方向に向いたから、そちらに行ったのだと思うのです。
トップの考え方・品格…といったものが、最終的にはモノをいう、だから全く尊敬できない人間や個人の私腹を肥やすことばかりを考えている人なら、会社は傾いてしまう…
多分私も、息子がいなければ、とっとと逃亡していたと思いますが、生活がかかっていたのと、自宅から近くて、学校などにも行きやすい…などいろいろな辞められない理由が重なって、20年かけてまざまざと一部始終を見てしまった…という経験談でした。
ろくなことはなかったけれど、会社の繁栄から存亡までを渦中で見れた…という体験はあまりないと思うので記事にさせていただきました。
当時も今も、社長とお局さんの話が昼ドラマめいていて、会社の話をすると、まるで私がホラを吹いているように思われる…と感じ、誰に対しても、あまり口にできずにいました。
ですが、今回、記事にさせていただき、少し心が軽くなりました。
最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m